サフランの花言葉は?特徴・基本情報や贈るのにおすすめのシーンを解説

古くから香辛料や薬草、染料として人々の生活の身近にあったサフラン。現在でもパエリアなどに用いられ、サフランライスという名前を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

サフランにはポジティブな花言葉があるのでギフトにもおすすめです。

今回は、サフランの花言葉や誕生花、品種などの基本情報、さらにはガーデニングのヒントになる育て方などを解説します。

贈るのにおすすめのシーンなども紹介しているので、サフランを大切な人にプレゼントしたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

サフランの花言葉

サフランには「陽気」「愉快」「喜び」「歓喜」「節度の美」などの花言葉があります。どれもポジティブで、プレゼントにもぴったりの意味合いですね。

サフランの花言葉は、かつて薬として使われていた時代、血管を広げることで鎮静や鎮痛効果があったことに由来しています。

サフランの華やかな香りも由来の1つになっているようなので、積極的に花言葉をギフトに活用しましょう。

サフランの花言葉に怖い意味はある?

明るい印象の花言葉が多いサフランですが、「節度の美」という花言葉もあります。これは、気持ちを落ち着かせる効果があるサフランでも、摂取しすぎると神経が過敏になって中毒のような症状を引き起こすことがあるからです。直接的な怖い意味はありませんが、この花言葉から「なにごともほどほどに」という教えが伺えますね。

また、英語でのサフランの花言葉は「過度をつつしめ」「濫用するな」という意味合いになっているので、これらのフレーズに捉えられないよう、プレゼントする際はメッセージカードなどを添えると良いでしょう。

サフランの基本情報

サフランの花言葉は前向きなものが多いのですが、少しネガティブな意味合いもありました。ここからは、サフランについての基本的な情報をご紹介します。

名前の由来や特徴など、サフランについて深く知ることができれば、プレゼント選びがより楽しくなりますよ。

 

アヤメ科

クロッカス属

和名 サフラン

英名 Saffron crocus

学名 Crocus Sativus

原産地 地中海沿岸

開花期 10月~12月

サフランの名前の由来

サフランは紀元前3,000年前の栽培記録が残っているほど、とても古くから私たち人間の身近にあった花です。

古代ギリシャでは、サフランの雌しべが香辛料や染料、薬草や香料などマルチに使えることから、その黄色を尊重して王族のみが身に付けられるロイヤルカラーとしていました。サフランの雌しべ自体は赤色なのですが、水に溶かすと黄色になるのです。

歴史が深いことからサフランの名前の由来についても諸説あるのですが、アラビア語で「黄色」を表す「zafran(ザファラン)」が語源だとも言われています。

学名である「Crocus」は、ギリシャ語で糸を意味する「krokos」からきていますが、これは、サフランのめしべが長くて糸状であることから由来しています。

サフランの特徴

サフランは同じアヤメ科クロッカス属のクロッカスによく似た球根植物で、10〜11月に透明感のある美しい紫色の花を咲かせます。

花の中心から長くて赤い糸のような雌しべが伸びているのが特徴で、この雌しべを乾燥させたものはパエリアやブイヤベースなどの料理のスパイスとしても使われます。この雌しべは赤色ですが水に溶かすと鮮やかな黄色になり、黄色の染料としても活用されてきました。

ほかにもかつては、薬用やハーブティーとしても親しまれてきた歴史があります。

また、サフランには球根を土に埋めなくても発芽して花を咲かせるタフさがあるのも特徴です。地植えや鉢植えだけでなく水耕栽培も可能ですよ。

サフランはいつの誕生花?

サフランを誕生日プレゼントとして贈るなら、誕生花を意識してみるのもおすすめです。誕生花とは生年月日にちなんだ花のことで、ギリシャ神話に由来しています。

サフランが誕生花となる日は11月4日です。ぴったりこの日が誕生日の人はなかなか身近にいないかもしれませんが、サフランをプレゼントとして贈るきっかけとして多少日付が前後しても良いでしょう。

サフランの種類・品種

そもそもサフランは、秋にしか咲かないクロッカスの一種なので、「秋咲きクロッカス」や「秋咲きサフラン」と呼ばれることがあります。

対してクロッカスは「春咲きサフラン」や「花サフラン」と呼ばれ、こちらは鑑賞用として栽培されており、サフランのように薬用などには使われません。

サフランの育て方

サフランは、プレゼントとしてはもちろん、自分で育ててみるのもおすすめです。

球根植物なので掘り上げ作業や植え替えなどは必要になりますが、慣れてしまえば難しくありません。ここからは、サフランの上手な育て方を解説します。

用土・肥料

サフランは、水はけと水持ちのバランスが良い土を好みます。酸性の土を嫌うので、植え付け前に苦土石灰を混ぜ込んでおきましょう。

市販の草花用の培養土で問題ありませんが、自分で配合するなら赤玉土小粒6、腐葉土3、牛ふん堆肥1の割合で作ります。

元肥として、緩効性の化成肥料を施しますが、肥料が多すぎると根が傷んでしまうため、規定量よりも少なめで構いません。11頃の花が咲き終わった後と生育期である2月に追肥して、球根にしっかり養分を蓄えさせましょう。

置き場所

サフランは日当たりと風通しの良い場所でよく育ちます。寒さにはとても強いので屋外に庭植えしても良いのですが、高温多湿の環境には弱いので、特に気温が上がる地域や雨が多い地域では、夏前に一度掘り上げて涼しい場所で管理する方が安心です。もしくは、鉢植えにして気温や天気に合わせて場所を移動させると良いでしょう。

水やり

育成期には、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやりましょう。冬から春にかけては、少しずつ水やりを控えて乾燥気味に管理します。

過湿状態が続くと根が傷んでしまうため、水をやりすぎないように注意しましょう。

植え付け・植え替え

サフランの植え付けに適している時期は8〜9月です。植え付けが遅れても花を咲かせることはありますが、株が貧弱になったり花が小さくなったりすることがあるので、夏が終わりかけて涼しくなってきたら早めに植え付けましょう。

サフランの球根を浅めに植えると、花付きが悪くなるのでしっかりと深めに植え付けます。鉢植えの場合は球根1.5個分くらい、地植えの場合は球根2個分くらいの深さにするのが目安です。複数植える場合の間隔については、鉢植えだと1個分、地植えは3個分あけると良いでしょう。

夏の管理方法

サフランは初夏になると茎葉が枯れ始め、休眠へと向かっていくため水やりの頻度を少なくしていきましょう。高温多湿の環境を嫌うので、特に気温が高くなる地域では球根を掘り上げて冷暗所で管理した方が良いのですが、涼しい地域や雨が少ない地域なら植えっぱなしでも問題ありません。その場合、水やりはせずに降雨だけで十分です。

そして、サフランが生育期を迎える9〜10月になったら、たっぷりと水やりを再開しましょう。

冬の管理方法

サフランはもともと涼しい環境を好み、寒さにはとても強い植物なので、基本的に防寒対策は必要ありません。ただし、水分が凍結してしまうと株が弱る原因になるので、水やりは控えめにして乾燥気味に管理します。雪が降っても枯れないので、安心して春になるのを待ちましょう。

増やし方

サフランは分球によって簡単に増やすことができます。植えっぱなしにしていると、どんどん球根が増えて窮屈になっていくので、数年に一度は掘り上げて球根を植え替えましょう。

サフランは、1つの球根から出た芽の数だけ球根が増えていきますが、鉢植えの場合育つスペースに限りがあるので、芽が増えすぎるとそれぞれの球根が十分に太らなくなります。そうすると、分球しても翌年花を咲かせられないことがあるため、芽を少し間引いて増やす球根の数を絞ると良いでしょう。もし球根が小さかった場合、出てきた蕾を摘み取ることで球根の生長に集中させることができます。

注意すべき病害虫

サフランはハーブ系の植物なので、害虫はあまり付くことはありません。むしろ、虫が付きやすい植物の側に植えることで虫よけ効果が狙えます。

ただし、高温多湿の環境が続くと「軟腐病」という球根が腐ってしまう病気にかかることがあるので注意してください。

サフランが弱っているからといって肥料を与えてしまうと軟腐病の進行を早めてしまうことになります。軟腐病を予防するためにも、夏場はできるだけ球根を掘り上げて風通しの良い涼しい場所で保管しましょう。

サフランを贈るのにおすすめのシーン

美しい紫色の花を咲かせるサフランは上品で落ち着いた印象です。

独特の香りも楽しめて花言葉も前向きなものが多いので、大切な人へのお礼やお祝いとしてぜひ贈ってみてください。

切り花も良いのですが、翌年以降もサフランの花を楽しめる鉢植えもおすすめです。

母の日

サフランの花言葉に「陽気」「愉快」「喜び」などがあることから、いつも元気で家族を支えてくれるお母さんへのギフトにおすすめです。

花束やアレンジメントなどの切り花も人気ですが、庭いじりが好きなお母さんにはぜひ鉢植えで贈ってみましょう。サフランの繊細で美しい花を翌年以降も楽しんでもらえます。

母の日に、いつもはカーネーションを贈っているという方も、今年はサフランにしてみてはいかがでしょうか。

お料理好きな方への贈りもの

サフランはハーブティーやスパイスとして活用できるため、お料理好きの方に贈ると喜んでもらえるかもしれません。サフランを食品として使うには雌しべを回収して乾燥させる必要がありますが、料理好きの方ならその作業も楽しんでもらえるでしょう。

また、サフランの雌しべは少量しか収穫できず、貴重で高価なことが多いので、自宅で栽培できるとお金もかかりません。

ガーデニング初心者への贈りもの

サフランは夏の暑さには弱いものの、寒さにはとても強い花で、育て方もそれほど難しくありません。そのため、ガーデニングを始めたばかりの方へ贈るのもおすすめです。

翌年以降も花を楽しめるほか、分球で簡単にどんどん増やせるので、ガーデニングの幅が広がります。

また、根があまり広がらず、コンパクトな鉢やコンテナでも栽培が可能のため、大きな鉢を用意する必要もありません。

サフランに関するQ&A

サフランの花言葉や特徴、育て方などについて解説してきました。サフランは美しくて花言葉も良いだけでなく、料理にも使えて栽培もそれほど難しくない花です。

しかし、さまざまな使い方ができるからこそ、疑問や不明点も出てきますよね。最後に、サフランに関してよく寄せられる質問について解説します。

イヌサフランはサフランの仲間?

サフランとよく似た名前の「イヌサフラン」という植物があります。名前だけでなく見た目もそっくりなのですが、イヌサフランはユリ科コルチカム属の植物で、サフランとは全くの別物です。

イヌサフランにはアルカロイドのコルヒチンという毒があり、サフランと間違えて服用してしまうと、下痢や嘔吐、呼吸困難などの症状を引き起こすことがあるので注意しましょう。しかし、イヌサフランの花は透き通るような淡いピンク色で美しく、花言葉も「懐かしき青春」となっているので、縁起の悪い花というわけではありません。

サフランの花は食べられる?

サフランの雌しべはスパイスやハーブとして使われているので、花びらも食べられるのではないかと思われる方も多いでしょう。サフランの花びらは美しい紫色でひらひらと薄いので、料理のトッピングに良さそうですよね。

しかし、サフランを食用として用いることができるのは雌しべのみで、花びらは食べられません。食用以外の、押し花や染料などにも使えるほか、お風呂に浮かべても良い香りがしてきれいなので試してみてください。

ハーブと聞くと、葉を使用するイメージが強いのですが、サフランは葉でも花びらでもなく雌しべを使うようにしましょう。

サフランとクロッカスの花言葉は違う?

上記で、サフランは秋咲きのクロッカスの一種であると解説しましたが、クロッカスには個別に花言葉が付けられており、「青春の喜び」「切望」「私を信じて」などがあります。

「青春の喜び」は、クロッカスがヨーロッパ周辺において春の訪れを告げる花とされていることに由来しており、「切望」は、春になって花を咲かせることを心待ちにしているクロッカスの気持ちを表したものです。「私を信じて」は、ギリシャ神話の悲しい物語にちなんで付けられました。

サフランの花言葉は「陽気」「愉快」「喜び」などですが、花言葉の意味もその由来もクロッカスとは異なっていますね。

スパイスとして使いたい!サフランの採取方法は?

サフランから雌しべを収穫するには、まず花を摘み取って花びらを2〜3枚外し、その日のうちに雌しべを根元からゆっくりと抜き取ります。そのまま花も楽しみたい場合は、花ごとではなく雌しべのみを採取しても構いません。開花してしばらくすると雌しべから成分が抜けてしまうため、花が咲いたらすぐに作業するのがおすすめです。サフランの花は朝咲くので、毎朝様子をみておきましょう。

収穫したばかりの雌しべは柔らかくて繊細なので、容器に入れたりキッチンペーパーに包んだりして保護してください。

収穫した雌しべは、直射日光の当たらない風通しの良いところで3日ほど自然乾燥させます。雌しべはとても軽くて飛ばされやすいので、新聞紙やキッチンペーパーなどに包んだまま乾燥させましょう。

はじめはオレンジがかった明るい赤色だった雌しべが、乾燥していくにつれて深い赤色になっていきます。サフランの雌しべが完全に乾燥したら、密閉容器に入れてスパイスやハーブティーとして活用しましょう。

サフランのポジティブな花言葉をプレゼントに生かそう!

サフランには、「陽気」「愉快」「喜び」などプレゼントに適した花言葉が付けられています。その一方で、「節度の美」という、贈られた人がどう捉えてよいか分からない花言葉もあるので、贈る際には誤解を招かないようにメッセージカードなどを添えると良いでしょう。

また、サフランは丈夫で育てやすいので、切り花だけでなく鉢植えで贈るのもおすすめです。高温多湿の環境にさえ気を付ければ、毎年のように美しい花を咲かせてくれます。

サフランの雌しべは料理にも使えるので、自分で栽培してスパイスやハーブとして活用するのもよいですね。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?