【オリーブの木】育てやすい人気の種類9選!特徴や育て方を解説
オリーブオイルやピクルスなどの原料となるオリーブは、日本でいえば香川や岡山にある広大な土地で育てられたオリーブの木から収穫されています。
実をたわわと実らすオリーブの木はとても大きなものですが、実は家のシンボルツリーとしても大人気なんです。スタイリッシュな葉の形や色の美しさ、そして育てやすさから観葉植物で楽しむ方も多くなっています。
そこでこの記事では、ご自宅で育てたい方やプレゼントに選びたい方のために、育てやすいオリーブの人気おすすめ種類を9選紹介します。
品種の見分け方や育て方にもふれていますので、ぜひ参考にしてみてください。
オリーブの木ってどんな観葉植物?
オリーブは、以下のような特徴をもつ植物です。
科名 | モクセイ科 |
属名 | オリーブ属 |
英名 | Olive |
和名 | 阿列布(オリーブ)、橄欖(かんらん) |
学名 | Olea europaea |
原産地 | 地中海地方、中近東、北アフリカ |
樹高 | 2m~4m |
植え付け期 | 3月上旬~4月上旬 |
開花期 | 5月中旬~6月中旬 |
収穫期 | 9月~11月 |
オリーブの木は種類が豊富
オリーブの木は種類が豊富で、世界中にある品種は1,600種類以上あるとされています。
品種によって葉の形や大きさ、樹高、樹形などに違いがあり、選ぶ品種によって異なる表情を楽しませてくれます。
オリーブは、種類が豊富なことから選びにくそうと感じるかもしれませんが、身近に販売されている品種はある程度限られていますのでそこまで悩むことはありません。
以下では人気品種を紹介していきますので、ぜひ選ぶ際の参考にしてください。
庭のシンボルツリーとして人気
オリーブが観葉植物として人気がある理由の1つが、家の外観やお庭をおしゃれにみせてくれるシンボルツリーとなるためです。
最大の魅力は葉が生い茂る姿のスタイリッシュさ。先の尖った葉や緑色と銀白色のコントラスト、独特な樹高は、洗練された洋風な雰囲気があり、空間の印象を一気に変えてくれます。
また、オリーブは「平和の象徴」ともされている木で、何千年にもわたり特別な地位を確立しています。
平和をもたらしてくれる木であることも、シンボルツリーに選ばれる理由と言えるでしょう。
オリーブの木の種類
ここからは、豊富にあるオリーブの品種のなかから、日本でも育てやすい人気おすすめ種類を9選紹介します。
その品種ならではの特徴をはじめ、うまく育てることで収穫できる実について、どのような加工に向いているかや味わいも紹介しておりますので、オリーブの木を選ぶ際の参考にしてみてください。
オリーブ・シプレッシーノ
シプレッシーノ(チプレッシーノ)は、防風林として栽培されていた過去を持つほど、雨風に強い丈夫な品種です。耐寒性にも優れるため、初心者にも育てやすいでしょう。
その丈夫さから、玄関先やお庭に植えるシンボルツリーにも最適です。
シプレッシーノの実が収穫できれば、ピクルスにして楽しむのがおすすめです。またオイル加工も可能で、フルーティーな味わいを楽しませてくれます。
オリーブ・ネバディロブランコ
ネバディロブランコは、枝葉を多くつける品種です。丸いボールのような形に樹形を整えるトピアリーを楽しむことができるほか、フサフサッと生い茂るため目隠しになってくれるという魅力もあります。
ネバディロブランコは小さな実をつける品種で、その実はやわらかいという特徴があことから、オイルに加工して楽しむのがおすすめです。
他の品種に比べて果実味が強く、鮮やかな風味や独特な香りを楽しませてくれます。
オリーブ・マンザニロ
マンザニロは、オリーブの中では果肉量の多い大きな実をつける品種です。また、豊産性にも優れることから、世界中で多く栽培されています。
実はピクルスや塩漬けに向いており、満足感のある食べ応えを楽しませてくれます。
マンザニロは樹高が低いというのも1つの特徴で、観葉植物として屋内に迎えいれやすく、剪定などのメンテナンスも行いやすいでしょう。
オリーブ・ルッカ
ルッカは、実に含まれるオイルの量が多い品種として知られており、高品質でフルーティーなオリーブオイルの抽出が可能です。
もう1つ注目されている特徴は、自家受粉が可能なこと。オリーブは一般的に実を収穫するために異なる品種を一緒に育てますが、ルッカはその必要はありません。観賞用として楽しむだけでなく、実の収穫まで楽しみたいという方におすすめです。
注意点をあげるとすれば、横に枝を広げて育つ樹勢が強い品種である点です。大きくなりすぎるのを防ぎたい場合は、地植えではなく鉢植えで育てる方法をおすすめします。
オリーブ・ミッション
ミッションは、日本のオリーブの産地として有名な小豆島において、最もメジャーな品種です。
水気に弱くや炭疽病などになりやすいデリケートな品種ですが、収穫できる実は絶品。ピクルスにしてもオリーブオイルにしても美味しいと評判です。
また、先のとがったシルバーグリーンを楽しませてくれるオリーブらしい姿や、上に伸びる樹形で限られたスペースで育てやすい点もおすすめポイントとなっています。
オリーブ・オヒブランカ
オヒブランカは病気に強く耐寒性もあることから、初心者にも育てやすい品種として人気があります。枝が上に伸びて成長していくため剪定しやすく、限られたスペースでも整えながら育てることが可能です。
もう1つ注目したい特徴は、オヒブランカ品種のみで実をつけること。収穫した実は、漬物でもオイル抽出でも、どちらも楽しめます。
オリーブ・レッチーノ
レッチーノは病害虫い強い品種。気候の変化にもよく順応し、育てやすい品種として人気があります。
オリーブの中でも樹形が美しいとも言われる品種ですが、バランスよく枝に実らす結実した姿も見ものです。
そんなレッチーノがつける実は、果実の風味が豊かで料理愛好家からは一目置かれる存在。サラダやパスタ、肉料理、魚料理と相性抜群で、料理の味わいを引き立てる脇役としても活躍してくれます。
オリーブ・フラントイオ
フラントイオの特徴は、どのような環境下にも順応する地域適応力の高さです。丈夫で病気にも強く、原産地のイタリアをはじめアメリカやオーストラリアなど、世界各地で栽培されています。
もちろん日本の気候においても育てやすいです。自家結実性がある品種なので、うまく育てることで実も収穫できるでしょう。
フラントイオの実はオイル加工に最適です。香りの高さや風味の豊かさを楽しませてくれますよ。
アマゾンオリーブ
アマゾンオリーブは、幹が白色をしている点が大きな特徴です。緑色の葉の色と相まって、地中海をイメージさせるような爽やかな雰囲気を演出してくれます。
そんな魅力的なアマゾンオリーブですが、実はオリーブの木の仲間ではなくユーカリに近い植物です。つける実も形は似ていますがオリーブではありません。
オリーブの実を収穫したい場合は向きませんが、オリーブに似た雰囲気がありおしゃれ映えする観葉植物を迎えるなら、アマゾンオリーブを選ぶというのもよいのではないでしょうか。
ピクルスとは、酢をベースにしたピクルス液に漬け込んだ野菜のことです。オリーブの実もピクルスに向いていて、日持ちがするので古くから保存食として作られてきました。料理にも幅広く使われており、お酒のお供にもぴったりです。
オリーブの木の種類の見分け方
オリーブにはさまざまな品種があり、枝につける葉や実の形はそれぞれ異なります。
とはいうものの、どの品種かを葉や実の形で見分けられるのかというと、難しいといわれています。
では、オリーブの品種をどこで見分けるのかというと、以下に取り上げる2つのポイントで見分けることが可能です。
- 樹形の違い
- 自家結実するかどうか
それぞれについて少し詳しく解説しておきましょう。
樹形は直立型と開帳型がある
オリーブの樹形は、大きく分けて直立型と開帳型の2つに分けることができます。
直立型は、上へ上へと伸びていく性質を持つオリーブです。成長していく過程の姿が想像しやすく、剪定も比較的簡単です。部屋の角や家具の間、玄関先など、限られたスペースでも育てやすい魅力があります。
開帳型は、横へ広がりながら分岐する性質を持つオリーブです。どのような樹形になるか楽しませてくれるだけでなく、剪定で好みのスタイルに近づけることもできるでしょう。
その一方で、棚や他の植物などに干渉しやすい点がデメリットとなってきます。
自家結実する種類としない種類がある
オリーブの人気品種の紹介でもふれていますが、オリーブの実を収穫するためには、その品種を1本のみ育てればいい場合と、違う種類の品種を用意して2本育てる必要がある場合があります。
自家結実=自身の花粉で受粉して実をつける品種なら、1品種のオリーブの木を迎え入れるだけで観賞から収穫まで楽しむことが可能です。
上記で紹介してきた品種でいえば、オリーブ・ルッカやオリーブ・オヒブランカが該当します。
違う品種を用意する場合は、2種類用意すればよいというわけではなく、結実するための相性の良さから組み合わせを考える必要があり、それぞれの品種にあった育て方を実践するなど多少手間はかかります。
オリーブの木の育て方
オリーブにはさまざま品種がありますが、基本的な育て方は共通しています。
オリーブを元気に育てるために覚えておきたいのは、以下の4つの基本的なポイントです。
- 置き場所
- 気温
- 水やり
- 肥料
それぞれについて解説しますので、オリーブを迎え入れる際の参考にしてください。
置き場所/日当たり
オリーブは日光を好む植物です。そのため、屋外はもちろんのこと屋内においても日当たりのよい場所で育ててあげられるかに注意してください。
なかには、いくら日光を好むとはいえ直射日光は厳禁という植物もありますが、オリーブに関してはどの品種も直射日光があたっていても問題はないとされています。逆に日差し不足に注意が必要で、葉が黒ずんだり枯れたりしてしまうことがあります。
屋外に置く場合はそこまで気を張る必要はありませんが、屋内に置く場合は、風通しのよい場所を選ぶ点にも注意してあげましょう。
気温
オリーブは耐寒性があるだけでなく、耐暑性にも優れています。地域適応力が高いという特徴をもつ木ですが、耐寒性についてはマイナス10℃を下回る環境は苦手としています。また、マイナス10℃までいかなくても、マイナス3℃以下の環境が続くという状況でも枯れてしまう可能性はあります。
そのため、日本の中でも冬に寒さが厳しくなる地域にお住いの場合は、地植えするのではなく移動しやすい鉢植えで育てるのがおすすめです。
水やり
水やりについては、ワンシーズンを春夏と秋冬の大きく2つに分け、与え方を変える必要があります。
春夏に関しては、オリーブの湿度の低い環境を好む特徴から、乾燥気味に育ててあげるのがおすすめです。土の表面が乾燥している状態になってから、鉢底から水が流れ出るほどたっぷり水を与えるようにしてください。
秋冬に関してはさらに乾燥気味の環境下にして構いません。土の表面が乾燥している状態になってから2日~3日おいてから、鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと水を与えてください。
肥料
肥料の与え方については、植え方によって与える肥料を変える必要があります。
鉢植えで育てる場合は、速効性のある化成肥料を与えます。無臭であるという特徴もあり、屋内で育てる場合でもにおいが気になりません。
肥料の置き場所については、根元に肥料をまいた際、幹にあたらないように注意してください。
地植えで育てる場合は、においの有無よりも、元気に育てる目的を重視して肥料を選びます。
例えば、葉を元気に育てる場合は油かすや魚粉の有機質肥料を選ぶのがおすすめです。オリーブの実を大きくしたい場合は、骨粉や米ぬかの有機質肥料を選びます。
肥料の置き場所は、枝の先端の真下か少し外側の位置を意識してみてください。
オリーブの木の種類に関するよくある質問
最後に、観葉植物にオリーブの木を選ぶ際の、よくある質問をまとめて紹介しておきます。
上記で数ある品種の中から育てやすい人気のおすすめ品種を9選紹介してきましたが、情報量が多く決められない方もいるかもしれません。
そんな方は以下の質問内容を参考にしてもらえれば、より選びやすくなるはずです。
ぜひ参考にしてください。
1本でも実がなる種類はある?
オリーブの実を収穫したい場合、多くの品種において異なる品種を一緒に育てる必要がありますが、なかには1本でも実をつける品種がいくつか存在しています。
例えば、上記で紹介した9種類のオリーブでいえば、オリーブ・ルッカとオリーブ・オヒブランカ、オリーブ・フラントイオです。この3品種については自分の花粉だけで受粉し実をつけます。
ここでは取り上げていませんが、以下の品種も1本でも実がなりやすいです。
- ピクアル
- アルベッキーナ
- バロウニ
初心者でも育てやすい種類はある?
初心者でも育てやすいオリーブを選びたい場合は、ぜひ上記で紹介している9品種から選んでみてください。
強いて言うならば、オリーブ・シプレッシーノ、オリーブ・ネバディロブランコ、オリーブ・ミッションの3品種がおすすめです。
オリーブ・シプレッシーノは、雨風に強く耐寒性にも優れています。上に伸びる直立型なので樹形が崩れにくく、家具や他の観葉植物に干渉するといったことにも悩まされません。
オリーブ・ミッションも寒さに強く、直立型に成長する品種という点で初心者におすすめです。
横に広がる樹形が好みの方は、オリーブ・ネバディロブランコを選ぶとよいでしょう。耐寒性に優れ育てやすく、枝葉がよく茂ります。
鉢植えで育てられる種類はある?
オリーブの木は、実を収穫してオリーブや食品を精製することから地植えで育てられますが、観葉植物のオリーブはどの品種でも鉢植えで育てることができます。
ただ、オリーブは成長が早い木で知られており、鉢植えで迎え入れても大きく育っていきます。
もし成長を抑えて鉢植えで育てていきたい場合は、剪定の仕方に注意してみてください。
これ以上大きくしたくない場合は、幹の先端を剪定することで成長を抑えられます。また根を切る方法も効果的です。根を切る場合は枝の剪定も行い、バランスを整える点に注意してください。
まとめ
オリーブといえば、広大な土地で大きく育つ姿をイメージしますが、コンパクトなサイズ感の観葉植物や家のシンボルツリーとしても楽しむことができます。
どのような品種があるかを掘り下げると1,600種以上あるわけですが、手に入りやすく育てやすい品種は以下の9種類です。
・シプレッシーノ
・ネバディロブランコ
・マンザニロ
・ルッカ
・ミッション
・オヒブランカ
・レッチーノ
・フラントイオ
・アマゾンオリーブ(ユーカリの仲間)
選ぶ際のポイントとなるのは、樹形が直立型か開帳型かという点と、1品種で育てて実がなるかならないかという点です。
スタイリッシュでおしゃれな空間を演出してくれるオリーブを、ご自宅のシンボルツリーにあるいは大切な方へのプレゼントに検討してみてはいかがでしょうか。
オリーブについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。