~南国風の植物~クワズイモ を元気いっぱいに育てよう!
クワズイモという植物をご存じですか?イモの先端部分がシュッと土から顔を出して、そこからいくつもの枝を伸ばし、大きな葉を広げる植物です。こうした様子は、どの植物にもない特徴で、何とも可愛らしい感じがします。また、南国風インテリアの一部としてだけではなく、ボタニカルな雰囲気にベストマッチな植物としても人気を集めています。
そんなクワズイモの栽培方法は、普通の鉢植えのみならず、今流行のハイドロカルチャーでも楽しむことができます。また、一見無理そうに思われますが、コツさえ押さえることができれば、増やしていくことも可能な植物です。
今回はクワズイモの育て方やハイドロカルチャーについても紹介していきますので、ぜひ、いろいろな栽培方法でクワズイモを育ててみてくださいね。
クワズイモの上手な育て方
クワズイモは、明るいところで良く育ちますので、暗く寒い場所では元気に育ちません。そのため、クワズイモを育てるときに注意しなければいけないことは、日当たりの加減方法です。まずは室内で育てる場合と屋外で育てる場合について見ていきましょう。
室内で育てる場合
クワズイモを室内で育てる場合は、一日を通して日影になるような場所ではなく、半日影(午前中は明るく、午後は日影)になる場所で育てることが望ましいです。
そのため、日の光が入る窓辺近く(明るい場所)に置くようにしてください。
ただし、あまりにも強く日の光に当たってしまうときには、レースのカーテンで調節をしましょう。
エアコンの風が直接当たらないようにすることも大切です。
また、耐寒性はありますが、10℃を下回ってきた冬場の夜間帯には、部屋の奥に移動した方が良いでしょう。5℃以下にならないように管理するようにしてください。
屋外で育てる場合
日の光を好む植物だからといっても、直射日光は大敵です。葉焼けを起こしてしまいます。そして、もう一つ注意しなければならないことは、雨に当たり過ぎると根腐れしてしまうことです。
そのため、屋根がある場所や軒下など、自然な明るさが入り、雨ざらしにならない場所に置くようにしましょう。また、西日は強いので、西日が当たらない場所を選ぶことも大切です。いくら耐寒性がある植物であっても、冬場は室内に入れて育てる方が賢明です。
水やりについて
クワズイモの生長には、日の光とともに水が大切です。そのため、土が乾いたら、鉢底から水が出てくるくらいにたっぷりと水やりをしましょう。土の乾き具合は、目で確認するだけではなく、きちんと手でも触れて確認するようにしましょう。
乾いているように見えても、湿っている場合があります。また、多湿を好む植物であるため、水をあげる日とは別に、葉水(霧吹きで葉に水を吹きかけること)をすると良いでしょう。
こうすることで、葉に溜まるほこりやハダニの発生を防ぐことができます。
涼しくなってきたら、土や植物の状態を確認しながら、徐々に水やりの回数を減らしていきます。
特に冬場は、生長が鈍くなるため、1,2週間に一度の水やりが良いです。いずれの場合も、水やりのし過ぎは根腐れの原因となりますので注意してください。
肥料と追肥について
クワズイモの生長する時期は、春から夏にかけてとなります。そのため、この時期に肥料をきちんと施すことで、ぐんぐんと生長していきます。施す肥料としては、液体肥料が良いです。だからといって、決して水やりの度に施すのではなく、10日に1回のペースが最適です。
どうしても、液体肥料が面倒な場合は、植え替えの際に、土の中に固形肥料を混ぜたり、株元に化成肥料を置いたりして、管理する方法があります。この場合は2か月効果が持続します。
また、逆に生長が鈍くなる秋の終わりから冬場には、絶対に肥料を施さないでください。人間でいえば、寝ているのに無理矢理食べさせられることと同じです。
土(用土)について
クワズイモに適した土の配合は、赤玉土7:腐葉土3となります。ここに、固形肥料も一緒に混ぜ合わせます。ただし、自分で配合することが面倒な場合は、市販の培養土を買うことをおすすめします。
市販の培養土には、植物の生長に必要な栄養分が配合されていますので、そのまま使うことができます。
店頭に並んでいる培養土は、たくさんの種類がありますが、クワズイモの場合は観葉植物用の培養土で大丈夫です。
植え替えについて
ここでは、クワズイモが大きく生長してきたときに、植え替えをする方法について見ていきましょう。ただし、植え替え時期に気をつけないと、根を傷めてしまったり、クワズイモを枯らしてしまったりする原因になりますので注意してください。
クワズイモの場合、生長が活発化する前の5月~6月が、植え替えの最適期となります。
植え替えは毎年する必要はなく、2年に1度のペースで大丈夫です。
鉢の底を見て、根がパンパンに張っていたら、一回り大きい鉢に植え替えてください。
必ず、株の大きさに合った鉢に植え替えましょう。
植え替えの方法について
植え替え方法は
①植え替えをする鉢の底へ、鉢底石を入れます。
※空気や余分な水分の通り道が必要なので、ギュウギュウに敷き詰めないこと
また、鉢底の穴から石が出てしまう場合は、予めネットシートを置きましょう。
②鉢底石の上に、自分で配合した土(赤玉土7:腐葉土3)もしくは市販の観葉植物用の培養土を入れます。
③根を傷めないように、古い鉢からクワズイモを出し、先程の②の上へ静かに置きます。
※このときに、株元が鉢の縁より上ですと、土の量が多い証拠ですので適宜減らしてください。
目安として、株元と鉢の縁の間が、人差し指の第一関節くらい空いていれば大丈夫です。
④回りの隙間に、土を入れます。
⑤たっぷりと水をあげて完了です。
※新しい土の環境に慣れさせるため、液体肥料または株元の肥料はまだ与えないでください。与えても良い期日は、約10日~2週間後です。
剪定について
クワズイモが、だんだん大きく生長していき、葉がたくさん茂ると、風が通り抜けられず、常にじめじめとし不衛生な環境になります。不衛生になると、害虫やカビが発生しやすくなります。
また、日の光が満遍なく当たらないため、黄色がかった葉や細々とした茎になるなど、クワズイモの生長に著しい影響を与えます。そうならないように害虫やカビ防ぐ方法が剪定です。
剪定の時期は、植え替えと同じ5月~6月なので、植え替えの際に剪定すれば良いでしょう。
ここでは剪定方法を紹介します。青々とした元気なクワズイモに育てるために、確認しておきましょう。
剪定方法
剪定をするにあたり、事前に次の2点が必須になりますので準備が必要です。
・剪定用のハサミ
必ずきれいなハサミを使用してください。汚れていたり雑菌が付いていたりすると、切り口に付着して、クワズイモが傷みます。
・作業用の手袋
必ず手袋をしてください。クワズイモの茎を切ると、そこから粘着性のある液が出てきます。これには、シュウ酸カルシウムが含まれているため、かぶれや発赤など手荒れの原因となります。
準備が整ったら、いよいよ剪定の開始となります。
①基本的に、剪定をしていくのは株元の方からです。弱々しい葉や古い葉を切っていきます。
切る位置は、茎の元(イモのぎりぎり)です。
②次に行う剪定は、葉に穴が空いていたり、葉や茎が黄色がかっている葉を切ります。
③全ての工程が終わったら、全体を観察しましょう。ある程度、風通しが良くなっていれば完了です。
害虫被害について
せっかくいきいきとしたクワズイモに育てても、害虫にやられてしまっては、困りますよね。
クワズイモが注意する主な害虫は、ハダニになります。ハダニは、梅雨明けから夏にかけて発生し、葉の裏側に潜んで汁を吸い、葉緑素を無くしてしまう厄介な害虫です。クワズイモをハダニから守るにはどうしたらよいのでしょうか。
その対策方法は、2つあります。
先にも述べていますが、葉水が有効的です。
ハダニが潜む原因の1つが、葉の乾燥によるものですので、必ず葉水をするようにしましょう。
もう1つは、葉を拭いてあげることです。その理由は、ほこりが溜まることもハダニの発生につながるからです。もし、ハダニが発生した場合は、速やかに剪定をしたり、ハダニ駆除専用の薬液を使ったりして早めに退治してください。
育て方の番外編
ここまでは、基本的なクワズイモの育て方について述べてきましたが、番外編として「水耕栽培」「挿し木」「株分け」についてお話していきます。いずれの作業も、それぞれに難しさや注意すべき点がありますが、いろいろいな栽培方法でクワズイモの生長を楽しむことができます。
また、「挿し木」「株分け」を行う時期は、5月~6月下旬が適切です。「株分け」に関しては、植え替えの際に行える利点があります。「水耕栽培」は、決まった期間はありませんが、クワズイモにとっては、不慣れな環境となるため、ストレスがかかりにくく生長が活発な時期に行うことをおすすめします。
ぜひ、「水耕栽培」「挿し木」「株分け」の栽培方法にも、チャレンジしてみてくださいね。
水耕栽培について
「水栽培」は水だけで植物を育てる方法で、その水に肥料を混ぜると「水耕栽培」と呼びます。
ハイドロカルチャーとは、ハイドロボールと呼ばれる人工の土を利用して植物を育てる方法です。
根腐れしやすいという観点から、難しい育て方になりますが、クワズイモは「水耕栽培」でも育てることができます。その方法は、ハイドロカルチャーがおすすめです。
まずは、以下のものが必要です。
・透明のガラス容器(ハイドロカルチャーは、中のきれいさも見て楽しむためです)
・ハイドロボール(人工の石で、無数の穴が空いていて、そこから植物に酸素を供給します。)
・水耕栽培用の液体肥料(やはり水だけでは育ちにくいためです。ストレートタイプが理想です)
・根腐れ防止剤(根腐れを起こしやすいための防止剤です)
それでは、早速ハイドロカルチャーのやり方と育てていく際の注意点について見ていきましょう。
ハイドロカルチャーのやり方
①ハイドロカルチャーに使うクワズイモを用意する。そして、水を張ったバケツや桶の中で、根に付いている土をきれいに取る。洗い終わったら、根が浸るくらいの、きれいな水に入れておきます。
根を真っ白にするのではありません。ゴシゴシ洗わず、根を傷めないように大まかな土を落とします。
②ハイドロボールを用意し、水を張ったバケツや桶の中で洗い汚れを取る。
2,3回繰り返して洗えば、余分な汚れは取れます。
③ガラス容器の3分の2くらいまでハイドロボールを入れます。
④工程③の上に、①のクワズイモを設置します。(手で持ったままです。)
クワズイモの向きや位置が定まったら、もう片方の手で、残りのハイドロボールを入れていきます。
⑤植え終わった④の中に、水を注ぎ入れます。最後に根腐れ防止剤を適量入れましょう。
ひたひたになるまで水を入れないでください。根が浸るくらいか容器の3分の2くらいで大丈夫です。
また、水での栽培に慣れさせるため、まだ液体肥料は入れません。
ハイドロカルチャーで育てるときの注意点
ここではハイドロカルチャーで育てるときの注意点を紹介していきます。
汚れが出る前に、水の入れ替えをする
土の中と違い、不純物を分解してくれる菌が水の中にはいません。そのため、ずっと同じ水のままで置いておくと雑菌が増えたり、苔やカビが生えたりして、クワズイモを腐らせてしまいます。水替えをした後は、必ず根腐れ防止剤を忘れないようにしてください。
水の量にも気をつける
水の汚れとともに、きちんと根が水に浸っているか確認することも大事です。ただ、ハイドロボールが
水分を溜めておく習性があるため、そこまで気にする必要はありませんが、2日くらい水無しでも
大丈夫ということを覚えておくと良いでしょう。
窓辺に置かない
水耕栽培の難しいところですが、窓辺に置いてしまうと、水が日の光によって温められてしまいます。
その結果、根が傷んでしまいます。ほどよく明るい場所が、水耕栽培には適していますので窓辺以外で育てるようにしましょう。
液体肥料を適宜使いましょう。
水耕栽培を始めてから2週間後に、液体肥料を入れましょう。既に水が入っているため、薄めずに使え
るストレートタイプの液体肥料が理想です。
挿し木のやり方
必ず、手袋ときれいな刃物を使うことを守るようにしてください。
挿し木のやり方は以下になります。
①クワズイモの茎を観察し、太く茶色くなっているものを選んで剪定します。
②茶色い部分を5㎝~10㎝の長さに、きれいな刃物でカットします。
③切り口を乾燥させるために、明るい日影で2日置きます。
④2日後に、肥料を含んでいない真新しい鹿沼土または赤玉土を小鉢に入れて、そこに挿します。
※不安な場合は、挿し木用の土も販売されています。
⑤日影で、根が出るまで水やりをしながら管理してください。
※水やりは土が湿る程度です。霧吹きが役に立ちます。また、根が出るまでは早くて1か月かかります。根が出ているかの確認は、力を入れずに引いてみると、抜けそうにない手応えがあります。
⑥新芽が出てきたら、新しい鉢に植え替えをしてあげてください。
※通常の植え替えと同じ方法です。
株分けのやり方
挿し木と同様に、必ず手袋ときれいな刃物を使ってください。
①植え替えの際に、子株を切り離します。
※他の株を傷つけないように注意してください。
②小鉢に、土(赤玉土7:腐葉土3と肥料を混ぜ合わせたもの)または観葉植物用の培養土を入れます。
③工程②に子株を入れ、残りの土を足します。霧吹きなどで土を湿らせましょう。
④10日~2週間ほど日影で管理します。この間は、土が完全に乾いたら霧吹きで土を湿らせてください。
⑤新芽が出てきたら、3週間かけて、徐々に半日影に移動させて育てます。
※徐々にというのは、例えば、最初は1時間だけ半日影に、何日かしたらもう少し長く半日影に・・・
といった具合のことです。
クワズイモを育ててみよう
クワズイモは明るいところで良く育つ植物です。クワズイモを上手に育てるにはクワズイモに適した環境で
育てることが大事です。
クワズイモはハイドロカルチャーでも育てることができるのでぜひチャレンジしてみてくださいね。
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