花が咲くタイプの観葉植物の選び方は?おすすめの品種や選ぶ際のポイントなどを紹介
観葉植物というと、鮮やかな葉の色や形を楽しむものという印象を持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、種類によっては可憐な花を咲かせる観葉植物もあり、花のように楽しむことができます。
本記事では、花を咲かせる観葉植物の種類とその魅力、選び方のコツなどを分かりやすく解説します。
初心者でも管理がしやすい花が咲く観葉植物3選
初心者の方でも安心して育てられる観葉植物として、以下の3種類が挙げられます。
- オリヅルラン
- カネノナルキ
- 高性チャメドレア
ここでは、それぞれの種類の特徴などについて詳しく見ていきましょう。
オリヅルラン
オリヅルランは、観葉植物の中でも特に丈夫で育てやすい種類として知られています。細長くしなやかな葉が優雅に垂れ下がる姿が印象的で見た目にも清涼感があり、インテリアグリーンとして人気です。
比較的成長が早く、ランナーと呼ばれる茎の先に子株を次々とつけるため、水耕栽培にも向いています。春から夏にかけて白く清楚な小さな花を咲かせますが開花は非常に短く、たった一日で散ってしまう儚さがあります。
オリヅルランは「子孫繁栄」「守り抜く愛」といった花言葉を持っており、生命のつながりと家族への思いを感じさせる観葉植物です。
カネノナルキ(金のなる木)
ユニークなネーミングで知られるカネノナルキ(金のなる木)も、育てやすい観葉植物の一つです。葉っぱの形がコインに似ていることから、この名前がつけられたといわれています。厚みがある葉や茎はたくさんの水分を蓄えることができるため、乾燥に強い性質があります。
カネノナルキは、日の当たる場所に置くとスクスクと成長します。寒さが厳しくなる冬は、窓際を避けて暖かい場所に置くようにしましょう。
金のなる木は寒くなると葉が色づき、夏場の水やりを控えることで11月~2月ごろに白やピンクのかわいらしい花を咲かせます。
高性チャメドレア
スタイリッシュなカフェなどでよく見かける高性チャメドレアも、耐寒に優れていて初心者でも育てやすいと人気です。日陰でも育ちますが、明るい場所に置くことで成長が早くなります。
チャメドレアは「小さなプレゼント」という意味があり、花言葉にも「あなたを見守る」といったメッセージがあるため、大切な方への贈り物にぴったりです。成長するとやや黄色っぽい細かい花が咲かせるのが特徴です。
インテリアに合うおしゃれな花が咲く観葉植物3選

おしゃれでインテリアにぴったりな観葉植物として、以下の3種類が挙げられます。
- シュロチク
- アンスリウム
- ストレリチア
ここでは、それぞれの品種の特徴などについて具体的に解説します。
シュロチク
シュロチクは、中国が原産のヤシ科の植物です。一見、トロピカルな雰囲気がありますが、どんなスタイルの部屋ともマッチしやすいのが特徴です。幹が竹に似ていることから名づけられたシュロチクは、細くて青々と長く伸びた葉っぱが印象的で爽やかなイメージを与えるでしょう。
シュロチクは成長すると背丈が2m以上になることもありますが、剪定すれば自分の好みのスタイルを維持できます。シュロチクは暖かい場所で育てていると、初夏に淡いイエローの花が咲きます。
アンスリウム
アンスリウムは、種類が多いことでも知られている観葉植物です。サトイモ科の植物で、かわいいハート型のフォルムをした大きな仏炎苞(花に見える部分)が特徴的です。同じサトイモ科のカラーとよく似ていますが、アンスリウムには光沢があって色鮮やかで葉っぱにも同じような光沢があります。
アンスリウムは寒さには弱いですが、半日陰でも育ちやすく手入れが楽なのが嬉しいポイントです。春以降の暖かい季節になると生育が旺盛になり、5月~10月ごろに開花します。
アンスリウムは、部屋の雰囲気をトロピカル風にしたい人におすすめの観葉植物です。
ストレリチア
南アフリカ原産のストレリチアは、鳥が翼を広げる様に見えることから別名「極楽鳥花」とも呼ばれています。5月~10月ごろに開花し、一度見たら忘れられない南国風の花は生け花でも使われることが多いです。
また、ストレリチアには「万能」「未来」といった花言葉があるので、開店祝いや設立祝いといったお祝いシーンの贈り物にも最適です。さらに、ストレリチアを置くだけで部屋の雰囲気が明るくなるので、インテリアとしても高い人気を誇っています。
一風変わった花が咲く観葉植物3選
他の観葉植物とは一風変わった観葉植物を求めている場合は、以下の3種類がおすすめです。
- コーヒーの木
- スパティフィラム
- エアプランツ
ここでは、それぞれの種類の特徴や魅力などを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
コーヒーの木
コーヒー豆が発芽して成長したコーヒーの木は艶々とした葉が特徴的で、インテリアとして人気が高いアイテムです。カーテン越しなどの緩やかな日差しのもとで育てると、白くて美しい花を咲かせます。
ただし、花を咲かせるためには3年ほどの時間が必要であり、温度管理や肥料、水やりも欠かせません。コーヒーの木の花は4月~6月ごろに咲くことが多く、甘くて芳醇な香りがするといわれています。
スパティフィラム
スパティフィラムは、光沢のある深緑の葉と白く清楚な花のように見える仏炎苞が特徴の観葉植物です。花の中央に立つ黄色の穂がアクセントとなり、全体に気品のある佇まいを演出します。
開花期は5月~10月で初心者でも育てやすく、室内で長く楽しめる点も魅力です。ただし、日照が不足すると花が咲きにくくなるため、明るい場所での管理がポイントです。直射日光は避けつつ、レース越しの日差しが差し込むような場所に置くと良いでしょう。
エアプランツ
エアプランツは中南米原産のパイナップル科ティランジア属の植物であり、土を必要とせずに育つ珍しい観葉植物です。根を張らず、空気中の水分を吸収して生きることから「エアプランツ」とも呼ばれています。
乾いた環境にも強く、日当たりの良い室内で簡単に育てられるため、観葉植物初心者にも人気があります。育てる際は明るい場所に置き、週に数回霧吹きで水を与えると元気に育ちます。
種類によっては数週間から数ヶ月にわたって花を咲かせるものもあり、淡いピンクや紫などの花が現れると一気に華やかな雰囲気になります。エアプランツは、土を使わずに空間を彩る現代的でスタイリッシュな観葉植物です。
花が咲く観葉植物を選ぶ際のポイント
花が咲く観葉植物を選ぶ際、以下のような基準で選ぶのがおすすめです。
- 育てやすさで選ぶ
- 花言葉から選ぶ
- サイズ感で選ぶ
- 置く環境との相性で選ぶ
- 季節に合わせて選ぶ
ここでは、それぞれの選び方について具体的に解説します。
育てやすさで選ぶ
花が咲く観葉植物を選ぶ際は、まずは育てやすさに注目しましょう。観葉植物は品種によって適した環境や手入れの頻度が異なります。
たとえば、初心者には日陰でも育つスパティフィラムや比較的丈夫で乾燥にも強いオリヅルランがおすすめです。これらは日照や湿度の変化に強く、それほど手間をかけずに花を咲かせることができます。
一方で、エアプランツのように水やりの方法が特殊な植物は、慣れるまでは少し難しく感じるかもしれません。「毎日しっかり世話をしたい」「できるだけ放置でも育ってほしい」など、自分の性格や暮らし方に合った観葉植物を選ぶと失敗が少なくなるでしょう。
花言葉から選ぶ
花を咲かせる観葉植物は見た目の美しさだけでなく、花言葉の意味合いにも注目して選ぶと特別感が増します。たとえば、オリヅルランには「子孫繁栄」「集う祝福」、スパティフィラムには「清らかな心」「上品な淑女」という花言葉があり、贈り物にも最適です。
自宅用として選ぶ場合も、花言葉が日常の癒しや励ましになることがあります。リビングや寝室に前向きな花言葉を持つ観葉植物を飾れば、空間に穏やかなエネルギーをもたらしてくれるでしょう。
また、花言葉を意識することで植物への愛着が深まり、日々の手入れにも気持ちが入ります。思いを込めて選ぶことで観葉植物はインテリアの一部ではなく、心を癒す存在へと変わります。
サイズ感で選ぶ
花が咲く観葉植物を選ぶ際は、見た目のバランスを左右するサイズ感も重要なポイントです。大きめの鉢植えは空間の主役となり、ホテルのロビーや広いリビングなどで存在感を放ちます。
一方、小ぶりな鉢やハンギングタイプは棚やデスクまわりなどの限られたスペースに彩りを添えるのにぴったりです。大きな鉢を置くスペースがない場合は、数種類の小鉢を組み合わせることで空間にリズムが生まれます。
また、成長するとサイズが変化する植物もあるため、将来的な広がりも考慮して選ぶと安心です。飾る場所の明るさや動線とのバランスを意識すれば、花のある観葉植物が自然と生活に溶け込み、心地良い空間を演出してくれるでしょう。
置く環境との相性で選ぶ
花を咲かせる観葉植物を選ぶ際は、置く環境との相性を考えることも大切です。観葉植物は種類によって好む日照量や湿度、風通しが異なります。
たとえば、スパティフィラムやオリヅルランのように直射日光を嫌い、明るい日陰で元気に育つ種類もあれば、アンスリウムのようにある程度の光量がなければ花を咲かせにくい植物もあり、種類によって適切に変えることが重要です。
また、置く場所が北向きや窓から離れている場合は、耐陰性があるかどうかもチェックポイントです。部屋の環境を理解した上で観葉植物を選ぶことで花を咲かせるチャンスが増え、見た目も生き生きとした状態を保ちやすくなるでしょう。
季節に合わせて選ぶ
観葉植物の中には花が咲く季節が明確に決まっている種類も多く、季節に合わせて選ぶことでより自然に花のある暮らしを楽しめます。たとえば、スパティフィラムやオリヅルランは春から夏にかけて開花し、部屋に清涼感を与えてくれます。
一方、カネノナルキのように冬に開花期を迎える種類もあり、寒い季節にほっこりとした瞬間を楽しむことができます。
また、季節ごとに観葉植物を入れ替えれば空間の印象をがらりと変えることができます。春夏には白や淡い色の花で爽やかさを演出し、秋冬には深みのある色合いの花であたたかみをプラスすると、四季の移ろいを感じられる空間づくりができます。
花が咲くタイミングや持続期間は種類によって異なるため、「今の季節に咲く花」「次の季節に開花が期待できる植物」などを意識して選ぶと、一年を通して楽しみが続くでしょう。
花を咲かせる観葉植物を管理する際のコツ

花を咲かせる観葉植物を管理する際のコツとして、以下の3つが挙げられます。
- 日当たりと風通しの良い場所に置く
- 植え替えをしてリフレッシュする
- 水やりに気を払う
最後に、管理において押さえておきたいコツについて紹介するので、育てる際に役立ててください。
日当たりと風通しの良い場所に置く
観葉植物をインテリアとして取り入れたものの、気づいたら元気がなくなってしまったといった経験をした方は少なくありません。その多くは、置き場所や日当たりの条件が合っていないことが原因です。
花を咲かせる観葉植物の場合、基本的には光を好む種類が多いため、できるだけ明るい場所に置くようにしましょう。ただし、日陰を好む植物でも完全な暗がりで元気に育つわけではありません。
直射日光を避けつつ、レースのカーテン越しにやわらかい光が入る場所が理想的です。直射日光が強すぎると、葉焼けや変色などのトラブルを招くことがあるため注意が必要です。
また、日光と同じくらい大切なのが風通しの良さです。通気性が悪い場所では湿気がこもり、根腐れやカビの原因になることがあります。
エアコンや扇風機の風を直接当てるのは避け、空気が緩やかに循環する環境をつくりましょう。乾燥しすぎを防ぎつつ、適度に空気が流れる空間が観葉植物を健康に育てるポイントです。
植え替えをしてリフレッシュする
観葉植物を長く元気に育てるためには、定期的な植え替えが欠かせません。観葉植物は成長とともに根が鉢いっぱいに広がり、やがて水や栄養を吸収しにくくなってしまいます。そのまま放置しておくと弱ってしまう場合があるため、定期的に植え替えを行う必要があります。
植え替えの目安としては2~3年に一度が理想ですが、根が鉢底から出ていたり水の吸収が極端に悪くなったりした場合は早めに行ってください。
植え替えのタイミングは観葉植物の種類によって異なりますが、成長が活発に成長する春から初夏にかけてが多いです。一方、冬の寒い時期は根が弱っているため、避けるのが無難です。
作業の際はひと回り大きな鉢を用意し、古い土や傷んだ根を軽く取り除きながら新しい土に植え替えます。根を整理することで通気性が良くなり、再び栄養を吸収しやすくなります。
植え替えは、植物にとって新しいスタートのようなものであり、根をリフレッシュさせることで花を咲かせる力も取り戻し、より健やかに育ってくれるでしょう。
水やりに気を払う
観葉植物を健やかに育てる上で、最も重要なのが水やりです。水分は植物の命の源ですが、与えすぎても足りなくてもトラブルの原因になります。水の与えすぎは根腐れを招き、逆に少なすぎると乾燥して生育不良を起こしやすいので注意してください。
基本の目安としては、土の表面がしっかり乾いたのを確認してから鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えるのが理想です。ただし、季節や部屋の湿度によって必要な水分量は変わるため、土の乾き具合や葉のハリを観察しながら調整するのがポイントです。
また、鉢皿に水がたまったままにすると根が常に湿った状態になり、腐敗の原因になるので、水はその都度捨てて風通しを確保してください。さらに、霧吹きで葉に水をかける葉水もおすすめです。葉水を行うことで葉の乾燥を防ぎ、ホコリを落として光合成を助ける他、病害虫の予防にもつながります。
まとめ
花が咲く観葉植物はインテリアとしての美しさだけでなく、季節の移ろいや生命の息吹を感じさせてくれる存在です。オリヅルランやスパティフィラムなど、種類ごとに咲く花の表情は異なり、育てるほどに愛着が深まっていきます。
選ぶ際は、育てやすさや花言葉、サイズ感などの他、置く環境や季節との相性も考慮することが大切です。明るく風通しの良い場所で適切に管理し、定期的な植え替えや水やりを丁寧に行えば植物は長く健やかに育ってくれるでしょう。
ぜひ本記事を参考に、花が咲く観葉植物を生活の中に取り入れて楽しんでみてはいかがでしょうか。

