初心者にもわかりやすいココスヤシの育て方/インテリアに取り入れるコツも紹介

シルバーブルーの葉がゴージャスな雰囲気を醸し出すココスヤシは、初心者にも育てやすい植物です。

近年ではリゾートガーデン風の庭にしたい方や、インテリアを好む方が増えており需要が高まっています。

見た目は南国風ですが、実はとても耐寒性があるので日本での栽培に向いているんですよ。

この記事では、そんなココスヤシの魅力や選ぶときの注意点、インテリアに取り入れるコツなどを紹介します。

 

ココスヤシってどんな植物? 

国内では、公園や街路樹でもよく見かけることがあるココスヤシ。

お庭のシンボルツリーとしても素敵ですが、お部屋のインテリアグリーンに取り入れると瞬く間にスタイリッシュな雰囲気になりますよ。

ではココスヤシとは、どんな植物なのでしょうか。まずは、基本的な情報とヤシと木との違いについてご紹介します。

 

基本情報

ココスヤシは、ヤシ科のブティア属の植物になります。

原産地はブラジルの南やウルグアイで、日本では通販やオークションなどで販売されることが多いです。

一般的に園芸ショップなどでは取り扱いがないのであまり知られていませんが、ココスヤシは寒さにも強く日陰でも丈夫に育ちます。

鉢植えではそれほど大きくなることがないので、お部屋のインテリアとしてもおすすめですよ。

また、ある程度大きなココスヤシになると、雪が積もる地域でも枯れることがない点もセールスポイントです。寒くなると葉先が茶色くなることはありますが、北風に当たっても枯れてしまうことはありません。

 

花言葉

ココスヤシに込められている花言葉は、「成功」「勝利」になります。

ヤシの木には全般に「勝利」の花言葉がついているので、ギフトにもピッタリですね。

ヤシの木は古くから、葉っぱや実、幹などが生活の中に不可欠な資源として使用されてきました。さらに西洋では宗教的にも必要な神聖な植物であったことから「平和」のシンボルにもなっているのです。

また、ココスヤシの花は7月〜8月の暑い時期に咲きます。その後青い実が成り、やがて黄色くなり赤に変化します。

熟すと甘い香りがするのもココスヤシの実の特徴です。種が大きく食べられる所は少ないですが、味はマンゴーに似ていて美味しいですよ。

 

ヤシの木との違いは?

一般的に「ヤシの木」と聞くと、ココヤシのことを思い浮かべる方が多いようです。

しかし、ココヤスとココスヤシは種類が異なります。

ココヤシはハワイなどで見ることが多いヤシの木で30m以上の大木になることがありますが、ココスヤシは5m〜10m位までしか育ちません。ココヤシは日本の寒さには適応できないことが多く、地植えは難しいでしょう。

また、ココヤシの実は茶色く硬い皮に覆われており乳白色の果肉を持っています。こちらはココナッツミルクの原料としても広く知られていますね。

 

ココスヤシの魅力

ヤシ科の植物の中では、ココスヤシは比較的小さな種類になり日本での栽培に向いています。

近年はリゾートガーデンの人気が高まることによって、注目されている植物のひとつです。

竹がしなったように茂るさわやかなシルバーブルー葉っぱも、トロピカルムードを盛り上げてくれます。

ココスヤシは、樹高よりも悠々と風になびく美しい葉の風情を味わうのが醍醐味といえるのではないでしょうか。

ここからは、ココスヤシの魅力をピックアップしてみます。

 

育て方が簡単

ココスヤシは耐暑性・耐寒性もあり、害虫がつきにくいため、初心者でも手軽に育てることができます。

また生長も遅く種から育てた場合には、ある程度の大きさになるまでにはかなり時間がかかるでしょう。

ただし鉢植えと地植えでは、生長の速度が違います。

したがって、ゆっくりと育てたいときは鉢植えで育てるのがおすすめですよ。

また生命力が強いことも、この植物の魅力ではないでしょうか。メンテナンスの仕方によっては、数十年生き抜くことができます。

 

見た目がスタイリッシュ

よく洋風のホテルやペンションなどにも堂々と植えられているココスヤシは、1本あるだけでもオシャレです。シンプルでありながらも高級感のある空間を演出してくれるでしょう。

青空と自然の風が似合うココスヤシは、お庭のシンボルツリーとしても最適なアイテムです。リビングから眺めることができる場所に植えれば、リゾート地に来たかのような気分が味わえます。

 

風水的にも縁起がいい

風水と聞くと何だか難しそうと捉える方が多いようですが、実はとてもシンプルです。

「風」はエネルギーや気の流れなど目には見えないものや、実際に感じることができる空気の流れのことを表しています。

また、「水」は地球上に存在するあらゆる水の流れを意味しているのです。

私たちの体も水(血液)の流れが滞ると病気になります。このことから、心地良い流れを作ることが大切だとわかるでしょう。

植物は自然の恵みで生長していくので、ひとつあるだけでもパワーが高いのです。したがって、運気が停滞しやすいエリアに置くことで、幸運を引き寄せることができるといわれています。

ココスヤシのように細くて上向きに生える葉っぱには、やる気を向上させる効果もあります。家族みんなが集まるリビングや玄関に置くことで、仕事運や勉強運をアップさせてくれますよ。

 

ココスヤシの上手な育て方 

ヤシの木は寒さに弱いイメージがありますが、ココスヤシは日本の風土にもよく馴染むので育てるのが簡単です。

しかし、鉢植えと地植えではメンテナンスの方法が少し異なります。ここからは、鉢植えと地植え別に育て方のコツを紹介していきます。

 

置き場所

置き場所については、鉢植え・地植えともに日当たりの良い場所がおすすめです。

ココスヤシは耐陰性に優れている植物ですが、まったく日の当たらない場所に置くと葉っぱが徒長する危険があります。

また、日が当たらないと幹が細くなり弱々しいイメージになってしまうので、時々は明るい場所に出してあげることも必要です。しかし、強い直射日光に当てると葉焼けを起こすこともあるので気をつけてください。

室内で育てている場合は、いきなり外に出すのは避けて、少しずつ日光に慣れさせるといいでしょう。

 

用土や肥料について

・鉢植えの場合

用土は、園芸ショップなどで販売されている観葉植物の土を使うと便利です。

ご自分で作る場合は、赤玉土(小粒)4:鹿沼土3:腐葉土3をブレンドするようにしてください。水はけを良くするために小粒の軽石を混ぜてもいいでしょう。

また、大きなサイズのココスヤシの場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3でも大丈夫です。

 

・地植えの場合

地植えの場合はm排水性に優れていればどんな土壌でも問題なく生長するでしょう。

小さいココスヤシを植えるときには、生長を促すため腐葉土と有機肥料を混ぜるようにしてください。

 

肥料について

肥料は鉢植え・地植えの場合も生長期(3月後半〜9月後半)に与えるようにしてください。

植物が育つために必要な栄養分の窒素・カリ・リンサンがバランスよく含まれている肥料がおすすめです。例えば「マグァンプK」は、上記の栄養素に加えてマグネシウムなどの成分が入っており、植え付けや追肥にも向いています。2カ月に1回を目安に与えるようにすると、より元気に育つでしょう。

 

水やり

・鉢植えの場合

他の植物と同じように土の表面が乾燥したら、充分に水を与えましょう。

受け皿に水があふれる位与えてもいいですが、溜まった水はすぐに捨てるようにしてください。夏場は1日1回を目安にして、9月以降寒くなってきたら回数を減らしていきます。

11月以降は休眠期に入るので、鉢土が乾いてから2日〜3日経過するのを待って水をあげてください。

 

・地植えの場合

定植した年には、植えた直後にたっぷりと水を与えるようにしましょう。

基本的に植物は水が栄養の源になっています。したがって根づくまでの間は土が乾いたら水をあげるようにしてください。

夏場の暑い時期には特に乾燥に気をつけましょう。翌年以降の水やりは不要です。

剪定方法

・葉先

 ココスヤシのように先が細く長い葉っぱの植物は、葉先の部分まで栄養が行き渡りにくく茶色になってしまうことがあります。

このように茶色に変色した葉っぱは元通りの色になることはないので、カットするのがおすすめです。剪定ハサミを使って斜めにカットすると、見た目にもきれいな仕上がりになりますよ。

 

・下葉

古い葉っぱは役目を終えると次第に枯れていきます。枯れた葉は手でちぎるのではなく、その都度剪定するようにしましょう。

幹の部分は想像以上に固いため、小さな株でも剪定ハサミが必須です。下葉を剪定すると、ココスヤシの特徴のワイルドな幹が目立ってきます。

ただし、ココスヤシの葉には鋭いトゲがありますので、必ず軍手などで防御して作業してください。

 

植え替え方法(鉢植え)

鉢植えで栽培している場合、植え替えのタイミングにも注意しましょう。

鉢の底の部分から根がはみ出して来たら、そろそろ移し替える準備を始めてください。

また時期的には生長期の初夏から初秋までがおすすめですよ。鉢は今使用しているサイズよりひと回り大きなものにしましょう。

ココスヤシは生長が遅いので、目安としては2〜3年に1度の植え替えを想定すると良いです。

 

病害虫について 

ココスヤシは大きくなるに従って、徐々にタフになっていきます。

病害虫にも特に注意する必要はないですが、時々カイガラムシが発生することがあるので注意してください。

カイガラムシは、葉の裏にも発生するため、気づかない可能性もあるでしょう。鉢植えの場合は、霧吹きを使って葉の表面と裏側を葉水することでカイガラムシの発生を防ぐことが可能です。また、大きな株の場合には市販の薬剤などを使う方法もあります。

 

防寒対策

耐寒性が強く-7℃までなら耐えられると言われているココスヤシですが、防寒対策はしなくてもいいのでしょうか。

寒い地域にお住いの方は、幹や葉っぱに布や藁などを巻いて防寒すると安心です。また、定植してすぐの株は、まだ根が安定していない可能性があります。そのような場合は、こも巻きなどの対策をするのが望ましいです。

 

※こも巻きとは?

江戸時代から行われていたという害虫対策ですが、雪や霜対策にも用いることができます。

ホームセンターなどで販売されている藁などを利用して幹や葉に巻くのが一般的です。

過度に早い時期に行うと蒸れてしまうので、霜が降りるタイミングに合わせて実践しましょう。

 

あなたに合ったヤシの木の選び方 

ヤシの木は熱帯地方などに多く分布しており、その種類は何と数千種類とも言われています。それでは、今なぜヤシの木がブームになっているのでしょうか。

その理由は、ヤシは細い葉っぱをたくさんつけるため涼しげな雰囲気を演出できるからです。ひとつ置くだけで南国ムードが味わえるのも魅力ですね。

ここでは、あなたに合っているヤシの木の選び方をご紹介します。

 

樹形で選ぶ

好みの樹形や葉の広がり方で選ぶのも大切なポイントです。

生長に従って見た目の雰囲気が変わるものもあるので、最終的に大きくなった状態を把握しておく方が良いでしょう。

ヤシの木の場合、たくさんの葉っぱが羽根を広げたように付く「羽状複葉」と掌を広げたような「掌状複葉」に分類されています。

(羽状複葉にはナツメヤシ・ココスヤシなどがあり掌状複葉にはシュロチク・ビロウヤシなどがあります。)

また、幹にも特徴があり、ゴツゴツしたワイルドなタイプ・竹のように節があるタイプとさまざまです。

 

サイズで決める

置き場所(地植えの場合は植える場所)をイメージして、サイズで決めるのも選択肢のひとつです。

特に室内で育てる場合は、部屋にフィットするサイズを把握しておくと安心です。

リビングや玄関に置くなら、比較的大きく生長するアレカヤシ・ココスヤシがおすすめ。

デスクの上に置くなら、かわいいテーブルヤシなどが適しています。

 

育て方で決める 

ヤシの木の育て方は比較的簡単であり、特に注意すべき事柄はありません。

しかし種類によっては、生長に応じて植え替えが必要な種類や寒さに弱い種類もあるのです。そのため、購入する前によく調べておくと安心です。

例えば地植えをするなら、寒さに強いナツメヤシやココスヤシがおすすめですよ。ただし霜には弱いので、特に定植した最初の年には株元を藁で覆うなどの工夫をしましょう。

 

 

ココスヤシをインテリアとして取り入れるコツ 

トロピカルなムードのココスヤシは、インテリアとして飾るだけでもオシャレです。

無機質な部屋も、自然のパワーを取り入れることで温かみのある空間に変わるでしょう。

ここからは、ココスヤシをベランダや室内に飾るときのポイントについてご紹介します。

 

ベランダをガーデン風に変えてみよう

地味になりがちなマンションにおすすめなのは、ベランダをガーデン風に変えてみる方法です。

鉢植えの植物をいくつか並べるだけで、居心地のいいスペースが完成しますよ。

ココスヤシやフィカス類の少し大きめの観葉植物と、1年中緑の葉を保つシマトネリコ・オリーブの木などと組み合わせてもいいですね。また、野菜やハーブなどを一緒に育てるのもおすすめです。

ただしベランダで栽培するときは、室外機の風に当たらないように注意しましょう。室外機の風で葉っぱが乾燥してしまうので、カバーを付けるなどの工夫をしてみてください。

 

鉢カバーを活用してオシャレに演出

昨今では観葉植物をより美しく彩るために、オシャレな鉢カバーがたくさん出回っています。部屋の雰囲気に合わせた鉢カバーを選ぶとインテリア効果がアップしますよ。

モダンなお部屋ならシンプルな白や黒の鉢カバー、またナチュラルなテイストにしたい場合は素朴な木製の鉢カバーなどが向いているでしょう。

また敢えて柄物やビタミンカラーのアイテムをチョイスして、お部屋のアクセントとして楽しむのも素敵ですよ。

 

まとめ 

丈夫で耐寒性があるココスヤシは、庭に植えるだけではなく部屋のインテリアにも向いています。

最近ではリゾートガーデンがブレイクすることによって、注目を浴びている観葉植物のひとつなのです。

ハワイや沖縄などのリゾート地で見るようなダイナミックなヤシの木に憧れている方も、-7℃までの気温に耐えられるココスヤシならば安心して育てることができるでしょう。

シルバーブルーの細長い葉っぱや、野性的な幹を見ているだけでも、心が癒されますね。

少し小さめの苗から育てれば愛着も湧くので、最初は少し小さめのサイズから育てるのがおすすめです。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?