赤い実が可愛いヒペリカムの花言葉は「きらめき」人気の品種や育て方も紹介

イベントなどでいただいた花束に、なにやらかわいらしい赤い実のついた枝が入っていたことはありませんか?

木の実のような、ベリーのような、それが「ヒペリカム」です。名前は聞いたことがないかもしれませんが、これが入っているだけで、ずいぶん花束がキュートになりますよね。

ヒペリカムは赤い実の印象が強いですが、黄色で可愛らしい花びらのつく植物なんです。素敵な花言葉もついていますので、プレゼントに最適ですよ。

今回はそんなヒペリカムについて、花言葉や育て方をご紹介します。

 

ヒペリカムとは

ヒペリカムという名前をはじめて聞く方も多いと思います。ヒペリカムは、黄色い花と赤い実をつけるかわいらしい低木の仲間で、実は公園などでも見ることのできる、思った以上になじみのある植物なのです。

日本では薬草として古くから使われ、鎮痛、止血、リウマチなどに効果があるとして、重宝されてきました。

現代では、その可愛らしい見た目からギフトとしても人気です。では、ヒペリカムがどんな花なのか、ご紹介していきます。

 

基本情報

ヒペリカム(Hypericum)という名前は、学名です。日本では弟切草としてなじみがあり、オトギリソウ科、オトギリソウ属に分類されています。

原産地は中国といわれていますが、中央アジアから地中海沿岸にかけて、450種類と多くの品種が存在しており、その仲間の総称をヒペリカムと呼びます。

園芸店でよく見かけるのは、花を楽しむヒペリカム・カリシナムや、実を楽しむヒペリカム・アンドロサエマムでしょう。

開花は6〜7月ごろで、3〜4cmくらいの黄色い花が枝先につきます。秋には赤い実をたくさんつけ、その後、黒紫に変化していくことも特徴のひとつです。

 

特徴

ヒペリカムの花は、とても鮮やかな黄色です。厚みのある5枚の花びらの中には、金色のふさのように見える、多数のおしべがついていることが大きな特徴といえるでしょう。

中心のふくらんだ部分は、10〜11月ごろに、赤やピンクなどさまざまな色の実となります。種類が非常に多く、40cm程度から1.5m程度の低木と呼べるものまであります。

暑さや寒さにも耐性が強いためとても育てやすく、鉢植えでも地植えでもおすすめです。季節に応じて少しずつ色が変化するので、その移り変わりも楽しめるでしょう。

 

ヒペリカムの花言葉とは?

ヒペリカムの花言葉は、「きらめき」です。これは、多数の金色のふさのようなおしべをつけた、華やかな花びらから由来しています。

美しい花の時期が終わってしまっても、すぐに実を楽しめる期間が来ることから、「悲しみは長く続かない。」という意味も持っていますよ。

また、ヒペリカムは種類が多いため、それぞれ花言葉を持ちます。「ビヨウヤナギ」には「気高さ」、ヒペリカム・カリシナムには「元気」など、ヒペリカムの明るい雰囲気を良く表している意味が多くあります。

 

ヒペリカムの花言葉は怖い?

可愛らしい黄色の花びらや上を向いた花姿などから、明るい意味の多いヒペリカムですが、日本でなじみのある「弟切草」という名前には、少し怖い花言葉があります。それは、「秘密」「裏切り」などです。これは、平安時代に弟切草を、秘密の薬草として使っていた兄を裏切って、弟がその薬草の情報を人に教えてしまったという伝説に由来しています。兄の怒りを買った弟は手討ちにされてしまい、花びらにある斑点は、その血が飛び散った後だという説もあります。少し怖いお話ですよね。

とはいえ、一般的な花言葉は「きらめき」「悲しみは長く続かない。」なので、プレゼントする際に気にする必要はないでしょう。

 

ヒペリカムの種類

ヒペリカムという名前は、中央アジアから地中海沿岸地域にかけて分布する仲間の総称をさします。そのため、ヒペリカムには450ものさまざまな種類があります。一年草、多年草、低木、花の大きさや実の色にそれぞれの個性がありますので、目的に合わせて使い分けてみましょう。では、ヒペリカムの代表的な品種をご紹介します。

 

ビヨウヤナギ(美容柳・未央柳)

ビヨウヤナギは「美容柳、未央柳」などと書き、学名を「ヒペリカム・キネンシス」、または「ヒペリカム・モノギナム」などといいます。

300年程前に、中国から観賞用として日本に伝わりました。高さは1〜1.5mと大きめですが、枝先が柳のようにややしだれた印象になっています。先端には5cmくらいのあでやかな黄色い花が、上を向いて咲きます。5枚の花びらの中には、花びらよりも長い金色のおしべが、5つの束になって広がっているのが特徴的です。葉は楕円形で、ギザギザはありません。

 

キンシバイ(金糸梅)

キンシバイは、「金糸梅」と書き、学名を「ヒペリカム・カリシナム」といいます。おしべが金色の糸のようで、花の形が梅に似ていることから名付けられたといわれています。別名として、「セイヨウキンシバイ、ヒメキンシバイ」などとも呼ばれていますよ。

高さは40cm程度と低めではありますが、あでやかな黄色い花はとても大きく、1本の茎に1つの花をつけることが大きな特徴です。とても丈夫な植物なので、育てやすく、公園などでも見かけるなじみのある品種といえるでしょう。

 

コボウズオトギリソウ(小坊主弟切草)

少し面白い和名のコボウズオトギリソウは「小坊主弟切草」と書き、学名を「ヒペリカム・アンドロサエマム」といいます。

開花は5〜7月、実は初夏(6月)から秋にかけて咲きます。高さは60〜90cm、花は2cm程度と小さめですが、おしべが目立つのは他の品種と変わりません。

白、クリーム、ピンク、黄、オレンジなどのバリエーションに飛んだ色の実がつく多品種が特徴で、花束やアレンジメントなどのギフトに活躍します。暑さにも寒さにも非常に強く、地植えならば肥料などの手間もかからないため、育てやすい品種といえるでしょう。

 

トリカラー

ヒペリカムは黄色い花と赤い実、そして緑の大きい葉が印象的ですが、トリカラーは主に葉の色を楽しむ品種です。トリカラーの葉はとても小さく、その名の通り3色、つまり緑と白、ピンクに染まります。5月下旬ぐらいから、他の種類と同じように黄色い花を咲かせますが、葉は1年中落ちることはありません。高さは30cm程度と低めです。温度が低い時期にきれいなピンク色に染まるので、冬場でも色づきを楽しめますよ。寄せ植えや観賞用として、最適な品種といえるでしょう。

 

ヒペリカムを贈るのにおすすめのシーン

ヒペリカムはとても強く、1年を通してお花屋さんなどで見られる植物です。そのため、寄せ植えだけでなく、切り花として花束やアレンジメントなどにもよく使われます。

ヒペリカムはあでやかな黄色い花以外にも、可愛らしい実をつけるので、さまざまなイベントを彩るギフトとしても最適ですよ。

ここからは、ヒペリカムが活躍するシーンをご紹介します。

 

入学式・卒業式

ヒペリカムは、お子さんの入学式や卒業式などのイベントにとても向いています。

ヒペリカムは花だけでなく、真っ赤に染まったまん丸の実が大きな魅力のひとつです。小さなお子さんでもわかる、ぷちぷちと可愛らしいヒペリカムの姿は、小学校の入学式や卒業式などのお祝いとしても、とても喜ばれるでしょう。

そのキュートな印象から、お式の壇上に飾られる豪華なアレンジメントにも、頻繁に使われています。

 

発表会

発表会などのシーンでも、ヒペリカムは大活躍します。いちごのようなヒペリカムの実は、お子さんたちに大人気。花言葉も「きらめき」なので、才能の輝く発表会の場には最適といえるでしょう。

ヒペリカムの実の魅力は、カラーバリエーションが豊富であることです。白やクリーム、薄いピンクなどをシックな花々と合わせれば、子供だけでなく、大人の方の発表会での、上品なギフトとしても向いています。ボリュームもアップできますし、アクセントにもなるでしょう。

 

クリスマスの贈り物

めずらしい赤い実の印象が強いヒペリカムは、クリスマスシーズンにも大活躍をします。ヒペリカムの実は、赤や白、クリームなど豊富です。クリスマスカラーとの相性はバッチリなので、クリスマスの贈り物として、花束やアレンジメントのギフトに最適といえるでしょう。ヒペリカムを使えば、クリスマスらしさが演出できるので、クリスマス時期のイベントや、店内のディスプレイなどにも頻繁に使われています。

 

ヒペリカムの育て方

ヒペリカムは花束などの切り花としても良く使われますが、手入れが楽なので、地植えや鉢植え、寄せ植えなどとしても楽しみやすい品種です。暑さや寒さに強いものが多く、高さもそこまで大きくなりません。花が終わればすぐに実の時期に変わるので、1年を通して楽しめる、個人で栽培をするのに向いている植物といえるでしょう。

ここからは、ヒペリカムの育て方をご紹介します。

 

置き場所

ヒペリカムは日当たりの良い場所を好むので太陽の良く当たる、風通しの良い場所へ置いてあげましょう。寒さや暑さに強いので、屋外へ植え付けても構いません。冬は-15度まで耐えられますが、真夏の直射日光は葉が焼けてしまうため、遮光ネットなどを使って、日差しを遮ってあげましょう。基本的には日向が良いですが、半日陰でも育てられる、手間のかからないたくましい品種です。

 

水やり

鉢植えのヒペリカムならば、そこまで頻繁に水をやる必要はありません。土の表面が乾いてきたなと思ったらするくらいのペース、つまり表面の土が白っぽい茶色になったら、水をあげましょう。その際は、鉢の底から流れ出るほど、たっぷりとあげてかまいません。

庭などに植え付けたヒペリカムならば、地面となじんだ後は、特別に水やりを気にする必要はないでしょう。ですが、夏場などはやはり乾燥しやすいので、朝や夕方など、少し涼しい時間帯に水をあげてください。

 

用土・肥料

ヒペリカムには、水はけと水持ちがよく、腐植質の高い用土を使いましょう。鉢植えならば花木用の培養土や、赤玉や腐葉土をブレンドしたものなどが向いています。

庭に植える場合は、少し土を掘り、腐葉土、完熟たい肥などを混ぜあわせてから、植えてあげましょう。肥料は生育期前の3、4月や、開花後で涼しくなった9、10月に与えます。化成肥料などを、株の周りにまいておきましょう。地植えならば、1㎡に150gくらいを目安にして、株を中心にまいておくと良いでしょう。

 

植え替え

鉢植えのヒペリカムは、定期的に植え替えをする必要があります。同じ鉢にずっと入っていると、根っこが伸びて、鉢いっぱいにつまってしまいます。からまった根っこをほぐして、少し大きい鉢へ移してあげると良いでしょう。

ヒペリカムは伸びやすいので、1年に1回を目安として、生育期前の3月ごろや、花の季節の終った9、10月に行います。ヒペリカムは根が伸びやすく、株がどんどん大きくなるので、可能であれば鉢植えよりも、地面に植える方が良いでしょう。庭に植えたヒペリカムは、植え替えは必要ありません。

 

剪定

ヒペリカムは、剪定などのお手入れも欠かせません。ヒペリカムの枝は、春に株から新しい新芽を出し、花を咲かせようと伸びはじめます。古い枝や枯れた葉っぱなどが残っていると新芽がつきにくくなってしまうので、枝の根元から切っておきましょう。

剪定は3月くらいがおすすめです。茎が伸びすぎてしまい、花がつかない、元気がないなどの状態の時は、根元から3分の1程度を残して切ってしまいましょう。

 

増やし方

ヒペリカムは、挿し木をして増やすことができます。開花前の5~6月くらいに、10cmほど、斜めのラインで枝を切りましょう。先の方の葉は2〜3組を残し、下の方の葉は取り除きます。30分くらい水に漬けたら、切り口に発根促進剤を塗り、赤玉土や鹿沼土、挿し木用の土などにさしておきます。水をたっぷりと与え、乾かないように注意しておきましょう。ヒペリカムは、株分けも可能です。発育期前の3〜4月や、涼しくなった10月などに、根っこを傷つけないように堀りあげ、根をほぐしておき、はさみなどでカットして株を分け、植え付けましょう。

 

【ヒペリカム】よくある質問

花束やアレンジメントをいただくと、ヒペリカムが使われていることが多いと思います。

とても可愛らしい姿ですが、ヒペリカムについて詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。

「変わった花だけど、どうやって維持するの?」「この実は食べられるの?」そんな、ヒペリカムにまつわる、さまざまな疑問にお答えします。

 

ヒペリカムの色別の花言葉はある?

花言葉には、同じ種類の花でも、白色と赤色では意味が違うなどという場合があります。

ヒペリカムの花は基本的には黄色ですが、実は赤だけでなく、白、クリーム、黄、ピンクなど、たくさんの種類があります。しかし、この色の違いで花言葉は変わりません。

 

ヒペリカムの実は食べられるの?

ころころしていてベリーのように見えるヒペリカムの実ですが、古くは薬草として使われていたということは、食べられるのかな?と思ってしまいますよね。しかし、安易に口に入れるのはやめておきましょう。

ヒペリカムは非常に種類が多く、食用のものとそうでないものに分かれます。食用でないものをうっかり食べてしまうと、口がしびれるなどの症状が出る場合がありますので、注意してください。実際に口にした人もいるようですが、柑橘系の香りはするものの、おいしいといえるものではないようです。

 

ヒペリカムの切り花の寿命はどれくらい?

花束などでいただいたヒペリカム、とてもかわいいので、できるだけ長くお部屋に飾りたい!と思う人もいるでしょう。

ヒペリカムの切り花の寿命は、だいたい1〜2週間程度といわれています。切り花の中では日持ちをする方なので、そういった意味でも、花束やアレンジメントなどによく使われているのでしょう。

できるだけ長持ちさせたい時は、葉を少し取り除き、こまめに水を交換して飾りましょう。実は徐々に黒ずんでくるので、傷んだものは取り除きながら保ってあげれば、長持ちしやすいですよ。

 

ヒペリカムを購入するならどこがおすすめ?

最近はネット上など、購入先がたくさんあり、あまり慣れていない人にとっては、「どこで買えば良いの?」と悩んでしまうこともあるでしょう。

最後に、購入先によってどんなメリットがあるのかご紹介したいと思います。

 

花屋さん

「ヒペリカムを入れた花束を贈りたい。」と思った時に、いちばん先に頭に浮かぶのが、近場のお花屋さんではないでしょうか。

ヒペリカムは1年中お花屋さんに用意されているので、もちろんおすすめの購入先です。お花屋さんは、ヒペリカム以外のお花も豊富なので選択肢が広がりますし、フラワーデザイナーの方が常駐しているので、「お誕生日に30代の女性に差し上げる花」というように、具体的な注文を聞いてアレンジを制作してくれるのが、嬉しいポイントです。

お花を選びなれていない方や、お花の話をいろいろ聞きたい方などに向いています。

 

通販サイト

最近では、通販サイトによるお花の購入も一般的になっています。通販ならばいつでもどこでも購入可能ですし、注文をすればそのまま配送してもらえるので、時間のない方などにはありがたい方法でしょう。

プレミアガーデンは、手軽に利用できる上に花束、アレンジメント、観葉植物から、胡蝶蘭やスタンド花などの高級品まで幅広く取り扱っています。通販が主体なので、業界内でも低価格、高品質を実現しています。ラッピングや木札などはもちろん無料、会員には購入ごとにポイントが付くので、いつでもお得にお買い物ができますよ。

 

まとめ

コロコロとした実がかわいい、ヒペリカムがどんなお花なのか、おわかりいただけたでしょうか。花言葉は「きらめき」、あでやかな黄色い花と可愛らしい赤い実まで楽しめる、少し変わった植物でした。

アレンジメントの中にヒペリカムが少し入っているだけで、急におしゃれでかわいい印象に変わりますよね。ヒペリカムは気温の変化に強く手間もかからないので、栽培に挑戦してみるのも良いかもしれません。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?