イースターには春の花を飾ってお祝いしよう
春になると目にする、カラフルなたまごやうさぎをモチーフにした雑貨や飾りつけ。
パステルカラーのかわいらしいたまごがモチーフになったイベントといえば、キリスト教の復活祭である「イースター」です。
最近まであまり日本人には馴染みのないお祝いでしたが、ハロウィンと同様に、近年注目されているイベントのひとつになりました。
イースターの時期は、花屋さんにカラフルな春の花が並ぶ季節でもあります。この記事では、イースターに飾るのにおすすめの春の花や、自宅でできるイースターらしいアレンジメントアイディアをご紹介します。
今年は花とともにイースターを楽しんでみませんか?
イースターってどんなイベント?
イエスキリストは、十字架にかけられ亡くなってから3日目に復活したといわれています。その復活をお祝いするのがイースターです。
キリスト教を信仰している人が少ない日本ではあまりなじみがありませんが、実はキリスト教圏の国では、キリストの誕生を祝うクリスマスよりも大切にされているイベントとなっています。
イースターの日付は毎年変わる
イースターはひなまつりやクリスマスのように毎年日付が決まっているわけではありません。
イースターの日付は「春分の日のあと、最初の満月の次の日曜日」と決まっていて、年によって3月の半ばから4月の半ばとかなり幅広く変動があります。
ちなみに、今年2023年は4月9日(日)がイースターです。
また、キリスト教の中でも、カソリックやプロテスタントの所属する西方教会とギリシャ正教などが所属する東方教会では、使用している暦が異なるので、宗派によってもイースターの日付が異なります。
イースターは実は春のお祭りでもある
キリストの復活した日をお祝いするイースターですが、冬眠から目覚めた動物や植物が活動をはじめることを祝う、春のお祭りでもあります。
英語で復活祭を意味する「Easter(イースター)」の由来は、春の女神「Eoster(エオストレ)」であるといわれています。
春に植物が芽吹く姿や、動物が活動をはじめる春を祝うお祭りと、キリスト教の復活のイメージが結びついたのがイースターであると考えられています。
英語で東を意味する「East(イースト)」も、春の女神が太陽とともにやってくることからついた呼び名です。
そう思うと、春の花を飾ってイースターを祝うのは、お祭りの由来にもぴったりなのです。
イースターはどうやってお祝いするの?
キリスト教を信仰する人たちにとって、救世主であるキリストが復活したイースターは、1年でいちばん重要なイベントです。
キリスト教圏の国ではイースターは祝日とされている地域もあり、イースター休暇をとる国もあるほど大事にされています。
当日はイースター礼拝が開催される
教会では、キリストの復活をお祝いする礼拝が行われます。礼拝に参加した後は、家族でご馳走を食べるのが伝統です。一部の宗派では、イースターまでの準備期間に肉、卵、乳製品を取ることが禁止されている場合もあります。イースターはそれらが解禁されることもあり、豪華な食事をとる風習になっています。
エッグハントやイースターエッグづくりを楽しむ
たまごにカラフルなペイントをほどこした「イースターエッグ」を作る風習もあります。
子どもたちは作ったたまごを使ってエッグハントを楽しむことも。エッグハントとは、イースターエッグを森や家の中に隠して、それを探す遊びのことです。見つけるとお菓子がもらえるルールになっている家庭もありますよ。
最近では、日本でもイースターエッグ作りを楽しんだり、たまごの形の容器にお菓子をつめたものを隠して楽しんだり。テーマパークではイースターのたまごにちなんで、ことりやうさぎをモチーフにしたキャラクターが登場するなど、賑わいをみせるようになりました。
キリスト教圏の国では、多くのお店は休暇に
クリスマス同様、ショッピングモールなどのお店のほとんどは休暇を取ります。
イースターの当日をはさんで、その前の金曜日をGood Friday (グッドフライデー)、その次の月曜日をEaster Monday (イースターマンデー)と呼び、週末から次の月曜日にかけての期間をイースターとしている国も多いです。
この時期旅行に行く際は、閉まっているお店が増えるので覚えておきましょう。
イースターのシンボル!イースターエッグとイースターバニー
イースターといえば、カラフルなたまごとうさぎのモチーフ。
パステルカラーのかわいらしい雰囲気の雑貨や飾りつけが多いですが、それぞれのモチーフにもきちんと意味があります。
イースターのシンボル「イースターエッグ」
たまごは命の源、ひなが殻を割って生まれてくる姿から、復活の象徴とされています。
たまご料理を食べてイースターを祝い、殻をカラフルに彩ってかざったり、エッグハントと呼ばれる宝探しをしたりして楽しむのが伝統です。
各家庭ではたまごの中身を抜いて、殻にペイントや装飾をほどこしたイースターエッグを交換したり、飾ったりしてお祝いします。
イースターのシンボル「イースターバニー」
うさぎは子どもをたくさん産むことから、生命力を象徴しています。
また、子どもたちに読み聞かせるストーリーでは、イースターエッグを運んでくるキャラクターとしてもイースターバニーが登場。
イースターのシンボルとされているのは野うさぎで、春は繁殖を始める時期です。野うさぎのかけめぐる草原、草が生い茂る春の生命力が、キリストの復活のイメージとも合わさってイースターのシンボルとなったとも考えられています。
うさぎ以外に、子どもをたくさん産む羊が登場することも多いです。
イースターのシンボル「イースターリリー」を飾ってみよう
イースターリリーという花の名前を聞いたことがありますか?
キリスト教圏の国では、イースターにはイースターリリーを飾る風習があります。
イースターリリーの和名は鉄砲百合(テッポウユリ)。ラッパのような咲き姿の花で、横向きに花をつけるのが特徴的なユリです。
また、ラッパのような花の形はキリストを呼ぶ神様のトランペットを象徴するともいわれているんですよ。当日の教会は、たくさんのイースターリリーで飾り付けられます。
イースターリリーは実は日本原産のユリの品種
イースターリリーと呼ばれるテッポウユリは、19世紀にシーボルトが日本から持ち帰り、欧米に広まったといわれています。
それまでは純白のマドンナリリーと呼ばれる品種が、処女マリアの純白の象徴としてキリスト教の聖花として使われていました。
19世紀にテッポウユリが伝来すると圧倒的な人気を得て、マドンナリリーに代わって現在では多くの教会で聖花として飾られています。
イースターリリーはその白さから「純白、復活」の象徴とされ、聖母マリアの花として親しまれています。そのため、イースターにはテッポウユリを飾るのが伝統です。
日本の花屋さんでもイースターリリーは購入できる
テッポウユリは、日本の花屋さんでも購入することができます。
1年中流通のある花で、価格も1本300円〜500円ほどと購入しやすい価格の切花です。花屋さんに入荷するときには蕾の状態で、美しく開いてゆく姿を楽しむことができます。
蕾から満開まで花を長く楽しむことができるのもユリの魅力です。
開花すると花の中から花粉が顔を出すので、早いうちに取り除いてあげると花びらに花粉がつかず、綺麗な状態で花を楽しむことができますよ。長持ちさせる効果もあるので、早い段階で花粉は取り除いてしまいましょう。
イースターの期間中にはユリを贈る習慣も
キリスト教圏の国ではイースターの前後を休暇としているところも多く、この期間中に誰かのもとを訪ねるときには、イースターリリーを持っていくこともあります。
日本でいう「おもたせ」のようなイメージです。花束のような大げさなものではなく、チョコレートなどのお菓子と一緒にイースターリリーを簡単に束ねてクラフト紙などで包んで届けます。日常的にさりげなく花を贈る風習があるなんて素敵ですね。
この時期飾りたいのはパステルカラーの春の花
パステルカラーのカラフルなイメージのあるイースター。
この時期、花屋さんには色とりどりの春の花が並ぶので、思い思いのイメージに合わせて自宅に飾る花の色を選んでみてください。
おすすめのイースターカラーは春らしいパステルカラーです。
この時期の花屋さんには、お部屋に飾れば気持ちも明るく元気にしてくれる春の花がそろっています。
気持ちを明るくしてくれるイエロー
春を思わせる鮮やかなイエローの花。部屋に飾ったり、大切な人に贈ったりすれば、新しいスタートの時期を前向きな気持ちにしてくれる花の色です。
この時期のイエローの花は、ガーベラやラナンキュラス、チューリップやパンジーなど。
イエロー、ピンク、ホワイトなど、パステルカラーの花を集めて飾ればイースターの気分がぐっと高まります。
パステルカラーにかかせないピンク色
春の訪れを感じるピンク色も、イースターには欠かせないカラーです。
バラやラナンキュラス、チューリップ、スイートピーなど。この時期ならではの可愛らしい花がそろいます。
特にチューリップは、切花の中でも生命力が強く、花瓶に生けてからもぐんぐん伸びる姿を楽しむことができますよ。
復活を感じさせるホワイト
キリストの復活を象徴するイースターリリーはもちろん、白い花は純白や復活を感じさせてくれるのでイースターにぴったりのカラーです。
白バラやフリージアやスイートピー、カラーの他に、フランネルフラワーというこの時期ならではの白いかわいらしい花も楽しむことができます。
春の訪れを感じるグリーン
新緑を思わせるグリーンは自然の豊かさを表す色。葉物が入ることで、他の花の色がより一層引き立ち、1本1本の美しさを感じることができます。
またグリーンは「再生」や「永遠の命」を象徴する色なので、イースターの復活を象徴する色として取り入れられています。
春ならではの球根もイースターにぴったり
この時期は、花屋さんに球根が並ぶ季節。
切花よりも長く楽しめる球根は、この時期にしか楽しめない春ならではの花です。飾り方も簡単で、花瓶より少し口の広い容器があれば切花と同じように飾ることができますよ。
球根から花が生まれる様子は、まさに生命のたまごのようで、イースターの由来にもぴったりです。
ヒヤシンス
ヒヤシンスの魅力はなんといってもその香り。新緑を思わせるような爽やかさもある甘い香りで、部屋に飾ると香りを存分に楽しむことができる球根植物です。
花も、紫系やブルー系、白、ピンクなどカラフルな色を楽しむことができます。
ムスカリ
その名の通り、魅惑的なムスクの香りを楽しむことができます。
小さな実のような花は美しいブルーで、まるで小さなぶどうのような見た目がかわいらしい球根植物です。球根からぐんぐん伸びる姿は生命力を感じることができ、イエローの花と絡めてディスプレイすれば、イースターの気分を盛り上げてくれるはず。
テタテ
テタテは、この時期にしか出回らない、春の訪れを感じさせる手のひらサイズの小さなチューリップです。
蕾からぷっくりと花を咲かせるまでの様子を観察することができますよ。
実は、テタテという名前にはフランス語で「秘密のおしゃべり」という意味があります。そういわれてみると、小さな赤い花たちはまるでひそひそ話をしているかのよう。見た目だけではなく、名前も愛らしい球根植物です。
イースターに飾りたい切花
キリスト教圏では、イースターには家族そろってご馳走を囲む伝統があります。
ご馳走の並ぶテーブルにはぜひイースターをイメージした切花を飾ってみてはいかがでしょうか。
ペイントしたイースターエッグを一緒に飾ることはもちろん、黄色やピンク、白といったテーマカラーを意識するだけでも、イースターを迎えるわくわくした気持ちを味わうことができますよ。
スイセン
黄色いスイセンはドイツではイースターのベル、イギリスではレント(受難節)のユリと呼ばれていて、イースターには欠かすことのできない花です。
バスケットを鳥かごに見立ててアレンジメントしたり、たまごや鳥の羽をディスプレイしたりすれば簡単にイースター飾りが完成します。
ムスカリなどパープル系の花との相性もとても良いので、一緒にディスプレイするとそれぞれの色が引き立つはずです。
パンジー
小さくてかわいらしい花をつけるパンジーは、色が豊富なのでイースターの飾りつけをより賑やかに演出してくれるはず。
最近では品種改良により、ニュアンスカラーの絶妙な色合いのパンジーも増えています。
パンジーの切花には、よく観察するとつぼみがついているものもあり、上手に生けてあげれば順番に蕾も開いていく様子も楽しむことができます。
ネコヤナギ
猫のしっぽのようにふわふわなネコヤナギは、うさぎを思わせる見た目でイースターの飾りつけに重宝されます。
枝ものなので、コデマリなどと一緒にダイナミックに枝のみで生けたり、ふわふわの部分のみをアレンジメントに使ったりとアイデア次第で楽しむことができます。
たまごの殻や枝ものを使って、まるで鳥の巣のようにアレンジするのもこの時期ならではの楽しみです。
テマリソウ
草むらのような、もこもこの形が特徴的なテマリソウ。
テマリソウを草むらに見立てて、間に小花が咲いているように生けると、まるで小さな花壇のようなアレンジメントを楽しむことができます。
間に生けるのはスプレーマムや、マトカリアなど黄色系の小花が良く似合います。
自宅でできるイースターアレンジメントアイデア
せっかくなら、今年は自宅で簡単に楽しめるイースターのアレンジメントに挑戦してみませんか?
はじめての人でも気軽に挑戦できるレシピを紹介するので、イースターの飾りつけに取り入れてみてくださいね。
たまごや鳥の巣をイメージした器に飾る
水を入れられる小さめの器を、麻やココヤシファイバーなどで覆っていけば、まるで鳥の巣のようなアレンジメントを楽しむことができます。
中央にお花を生けて、たまごの殻やうさぎや羊のモチーフの飾りつけをすれば、イースターを迎える準備はばっちりです。
たまごの殻でつくる、ちいさなアレンジメント
イースターの時期には、たまごの中身を抜いて殻をペイントするイースターエッグを作るのが伝統ですが、たまごの殻をつかったアレンジメントも紹介します。
たまごの上の空いた部分に花を生けるので、イースターエッグを作るときに失敗してしまったたまごも活用できますよ。
たまごの中身を取り出したら、中を慎重によくすすぎ、花瓶に見立てて花を生けます。
器が小さいので飾るのは小花がおすすめです。
たまごの殻にペイントをしてから生けてみたり、たくさん作って並べてみたり、オリジナルの小さなアレンジを楽しんでみてください。
まとめ
最近では日本でも注目されているイースター。
イースターの時期は、花屋さんに春の色とりどりの美しい花が並ぶ季節です。キリスト教を信仰している人もそうでない人も、イースターの本来の意味を知れば、今までとは違った新しいイースターの迎え方ができるはず。
今年は、春の訪れを感じるイースターを花と共に楽しんでみてはいかがでしょうか。